"Frederick the Great, Sanssouci"

King Frederick II of Prussia built Sanssouci Palace in Potsdam in 1747.
The design of the palace fully reflects Frederick's literary perspectives. In this series, a pattern symbolises the idea of this king who had an Enlightenment philosophy. Furthermore, the decoration of Sanssouci Palace incorporates a lot of nature, so we feel the extension of nature outside into the room.
This perspective of "bringing the outside in" is abstracted into a pictorial context in different media and sizes, such as a wall painting and repeated stamps.

サン・スーシ　無憂宮

ドイツ・ポツダムにある、啓蒙思想のプロイセン王・フリードリヒ二世の宮殿「無憂宮」に着想を得た作品。
王とって無憂宮は、軍事・合理主義から離れ、ロココの絵のように自然に囲まれながら哲学や音楽に没頭できる場所であり、宮殿の装飾には自然と芸術と読書を愛した王の思想が色濃く反映される。
（父王は合理的な軍国主義者・倹約家で、無益な芸術を嫌い、フリードリヒ二世にフルートの演奏や非実用的な読書を強く禁じた。）

本作では、無憂宮を象徴する模様に、中国3世紀の文化人「竹林の七賢」（権力やお金、名声から距離を置き、竹林で酒や音楽を楽しみ清談をした。）のモチーフが重なる。時代も場所も異なる両者に、資本主義社会を生きる我々も共感する哲学を感じた。無憂宮の装飾はとりわけ動植物を多く採用し、大きな窓や鏡の使い方など、装飾を含め、部屋の中にいながら屋外を強く感じる構造となっている。この、「外側を内側にとりこむ」というキーワードをきっかけにして、本シリーズを展開した。

作品では、外側に開かれたオープンスクエアが、無憂宮／フリードリヒ2世／竹林の七賢の思想の象徴として、紙のドローイングから壁画へと、小さくなったり大きくなったり、少し形を変えたり、スタンプになったりと、繰り返し登場する。

〈模様の構成要素〉

１）サンスーシ宮殿の 音楽／建築／芸術／天文 を象徴する女性の彫刻
２）フリードリヒ・ロココ模様
３）ぶどう、果物
４）宮殿に建てられた古代ローマの廃墟
５）ルクレティウス「物の本質について」の冒頭詩文
６）竹林の七賢